スポーツあれこれ by 星野恭子

ウィルチェアー(車いす)ラグビーは、迫力あるタックルと選手4人が連携する緻密な戦略の2面性が醍醐味。コート全体が見渡せるのも、会場観戦ならではのお楽しみ!(2016ウィルチェアーラグビー日本選手権大会より/2016年12月16日)

大きな“ホップ”だった2016年。
次の“ステップ”こそ、大切!

※写真上:ウィルチェアー(車いす)ラグビーは、迫力あるタックルと選手4人が連携する緻密な戦略の2面性が醍醐味。コート全体が見渡せるのも、会場観戦ならではのお楽しみ!(2016ウィルチェアーラグビー日本選手権大会より/2016年12月16日)

あとわずかとなった2016年は、パラスポーツにとって本当に節目となった年でした。2020年東京大会の開催が決まって初の夏季パラリンピックだったリオデジャネイロ大会を中心に、パラスポーツへの関心と注目は、これまでにない高まりを見せました。テレビや新聞の報道も増え、パラアスリートが主役のCMやイベントなども増えました。各種のスポーツ賞でもパラスポーツ関係者が受賞する嬉しいニュースも多かったです。

でも、まだまだ課題が多いのも事実です。例えば、練習環境。パラアスリートが気軽に使え、継続した練習を行える拠点となる施設がまだまだ少ないのが現状です。指導者不足もそう。リオ大会ではどんどん強くなる世界との差を見せつけられましたが、そんな世界に追いつき、伍していくには競技をよく知るトップレベルの指導が不可欠です。練習環境や指導面でも、「オリパラ合同」がもっと進んでいくことを期待したいです。

もう一つ、パラスポーツ観戦者を増やすことも課題です。2020年東京大会開催が決まって以来、「会場満員化」を大目標に、観戦率向上を願って情報発信をさまざま続けていますが、力及ばず、まだまだ……。それでも今年は、取材中に思いがけず、「今、会場に来てます」というメッセージが届くことも増えました。地道でも続けていくことが大切ですね。

「タックルの衝撃音は、まるで交通事故!」という驚きの感想も聞かれたウィルチェアーラグビー観戦。勢い余っての転倒シーンも何度も観られました

また、先日はウィルチェアーラグビー日本選手権に、初観戦の方5名をお連れし、ルールや見どころなどを解説しながら観戦する機会がありました。「タックルの迫力が想像以上だった」「ボールを追うだけでなく、少しずつコート全体が見渡せるようになり、さまざまな攻防が面白かった」など、嬉しい感想が! 競技の面白さや醍醐味を体験するには、会場での観戦がいちばんだと改めて実感しました。

今年確実に高まったパラスポーツ熱を、しっかりつなげていくことが大切。「パラスポーツは楽しい!」をもっともっと伝えたい、広めたい。2017年もがんばります!

■寄稿
[障がい者スポーツフォーラム]水泳の木村、陸上競技の辻も登壇。リオパラリンピックのメダリストらが競技環境の現状を訴える(パラサポ/2016年12月15日付)

2016年のスポーツ賞が続々発表。パラスポーツの盛り上がりを反映(ノーボーダー/2016年12月19日付)

日本代表の命運を託された金メダリスト 【車いすフェンシングのコーチ、フン・イン・キィの場合】(パラサポ/2016年12月30日付)

■出演
⇒12月26日(月)[NHKラジオ第1「すっぴん!」
毎週月曜のスポーツコーナー「スポーツ自由形」で、2016年のパラスポーツ界を振り返りました。

■講演
⇒「リオデジャネイロパラリンピック報告」
・日本イベントプロデュース協会「東京2020オリパラプロジェクト パラリンピック分科会」にて(11月29日)
・日本スポーツボランティアネットワーク「スポーツボランティアサミット2016」にて(12月17日)

★2016年も応援、ありがとうございました。2017年もよろしくお願いいたします。皆さま、どうぞよいお年をお迎えください!

(kh)

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