
ミラノ・コルティナ2026冬季パラリンピックまで、あと1年
<2025年1月まとめ>
※写真上:札幌市の「札幌オリンピックミュージアム」の中の、『パラリンピックの世界』コーナー
2025年が始まってすぐ1月前半に、雪国での2大会を取材しました。札幌市でのクロスカントリースキーの「2025FISパラノルディックスキーアジアカップ札幌大会」と、長野市でのパラアイスホッケーの国際強化大会「2025 ジャパン パラアイスホッケーチャンピオンシップ」です。両競技とも来年3月(6日~15日/イタリア)に開幕が迫る「ミラノ・コルティナ2026冬季パラリンピック」の正式競技で、取材した大会はどちらも重要な位置づけの大会でした。
クロカンは選手個人の世界ランキングが「ミラノ・コルティナ大会」出場権獲得の大きな要素になります。アジアカップは成績に応じたランキングポイントが得られる重要な大会のため、日本のほか中国やカザフスタンなどアジアの強豪国からも選手たちが参加していました。さらにアジア枠ではありませんが、クロカン強豪国のウクライナからもパラリンピックメダリストなど数名が参戦。よりレベルアップしたレースになり、選手にとっても、観客にとっても貴重な機会となりました。
▼[2025 FISパラ・ノルディックスキーアジアカップ札幌大会] パラ・ノルディックスキーアジアカップ、ミラノ・コルティナ2026パラ代表候補たちの現在地。エース、川除大輝「いい流れで来ている」(パラスポ+!/2025年2月3日付)
パラアイスホッケーの大会は強豪の韓国、イタリアの代表に、期待の若手たちも含まれた日本代表と3カ国合同チームを加えた4チームによる対抗戦でした。5日間にわたって総当たり戦の予選と順位決定戦が行われ、日本代表は3位でしたが、来年のパラリンピックへの出場権獲得に向けて、海外強豪国との貴重な実戦の機会となりました。

「2025 ジャパン パラアイスホッケーチャンピオンシップ」に出場した日本代表チーム
日本代表が8枠しかない来年のパラリンピックに出場するためにはまだ、いくつかのハードルがあります。この後5月に予定されている世界選手権Aプールの上位5チームにまず出場権が与えられますが、日本代表はAプール(8チーム)への出場は逃しています。とにかく、出場できる世界選手権Bプール(8チーム)で3位以内に入り、Aプール下位3チームを含む、パラリンピック最終予選会への出場がまず一歩になります。その最終予選会で3位以内に入れば、2大会ぶりのパラリンピック出場が決まります。
「ミラノ・コルティナ大会」では他に、パラバイアスロン、パラアルペンスキー、パラスノーボード、そして、車いすカーリングが実施されます。いずれの競技でもこれから、出場権獲得の佳境へと入っていきます。予選会の多くが海外で開催されますが、ぜひエールを送ってください!
ところで、札幌市のスキー大会取材の前に、大倉山ジャンプ競技場横に建つ「札幌オリンピックミュージアム」に行ってきました。オリンピックに関する歴史的な展示物や競技体験コーナーにまざり、『パラリンピックの世界』というコーナー(トップ写真)もありました。パラリンピックの歴史や概要の説明から、冬季パラ競技で使う用具なども展示されていました。例えば、クロカンで使う「シットスキー」やアイスホッケーで使う「スレッジ」なども、持ち主である選手の競技写真とともに展示されていました。
家族連れの姿もあり、「へ~、知らなかった」とか「これ、見たことある」と言った感想が漏れ聞こえてきました。パラスポーツの貴重なPRの場になっているなと思いました。こういう「オリパラ」一体の場や機会が今後も増えていけばよいなと願います。
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<2025年1月度>
■寄稿:
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⇒【車いすバスケットボール】車いすバスケットボール「第50代王者」決定戦が1月31日開幕!(パラスポーツマガジン/2025年1月29日付)