スポーツあれこれ by 星野恭子

パラ陸上の世界選手権が開かれた、インド・ニューデリーにあるジャワハルラール・ネルー・スタジアム

まずは、第一歩!
<2025年9月度まとめ>

※写真上:パラ陸上の世界選手権が開かれた、インド・ニューデリーにあるジャワハルラール・ネルー・スタジアム

2年に1度、パラ陸上の世界チャンピオンを決める大会、世界パラ陸上競技選手権大会は今年初めて、インドで開催されました。会場はニューデリーにある、ジャワハルラール・ネルー・スタジアムで、歴史的な施設ですが、トラックは新たに敷きなおされ、メインスタンドの座席も新装されていました。

9月27日から10月5日までの9日間、107の国・地域から約1300アスリートが集結し、熱戦が展開されました。日本からは31選手(男子20、女子11)が参加し、金4個、銀8個、銅2個の計14個のメダルを獲得する活躍ぶりでした。

インドでパラスポーツの単一競技の国際大会が開かれるのは初めてのこと。大会運営は過去の大会に比べて整っていないところも多く、選手たちも大変な思いをすることが少なくなったのではないでしょうか。大会観戦も無料だったにもかかわらず、地元のインド選手の活躍が見込まれる種目など以外は観客の姿はまばらだったのが残念でした。

それでも、ボランティアの数も多く、学校観戦と思われる子どもたちの姿も何回か見られました。インド選手が活躍した姿に駆けつけたファンはお騒ぎで歓喜していました。パラスポーツを広めていくには、こうした「初開催」は大事な一歩でしょう。今回、インドの選手や関係者、ボランティアで関わった人、学校観戦や応援に来た人たちの心には何かしらのインパクトは絶対にあったはず。ここからスタートです。いい種蒔きができて、いつか大きな花が咲くといいなと願います。

==========
<2025年9月度>
■寄稿:

⇒【マラソン】「東京レガシーハーフマラソン2025」車いすの部・レース展望&招待選手プロフィール(東京レガシーハーフマラソン/2025年9月5日)

⇒【陸上競技】唐澤剣也が日本勢メダル第1号に。猛暑の中、二人のガイドとともにリベンジの金メダル!(パラスポーツマガジ/2025年9月29日)

⇒【陸上競技】新星誕生! 競技歴約3年の久野竜太朗が男子100mT12(視覚障害)で銀メダル(パラスポーツマガジ/2025年9月30日)


墨字と点字の合本で制作

==========
■編集協力:『東京2025デフリンピックを楽しもう!』(桜雲会/2025年9月10日発行)

(kh)

アーカイブ

取材や寄稿、講演など
お気軽にご相談下さい

著書

明日への勇気

輝くアスリートの感動物語東京2020オリンピック・パラリンピック 4(あかね書房/2022年3月10日発行)
(担当ページ)
車いすラグビー:倉橋香衣選手/トライアスロン:宇田秀生選手/ボッチャ:杉村英孝選手/陸上:佐藤友祈選手/陸上:マルクス・レーム選手

自分らしさをつらぬく

輝くアスリートの感動物語東京2020オリンピック・パラリンピック 5(あかね書房/2022年3月10日発行)
(担当ページ)
自転車:杉浦佳子選手/ゴールボール:萩原紀佳選手/マラソン:道下美里選手

いっしょに走ろっ!―夢につながる、はじめの一歩

「走る」をテーマにさまざまな人々の挑戦を集めた一冊。2012年ロンドンパラリンピック出場を目指す、義足のジャンパー中西麻耶選手と義足職人やコーチたち、全盲のランナー和田伸也選手と伴走者たち、そして、視覚障害ランナーの伴走ボランティアに挑む福井県の中学生たちのドキュメント。

伴走者たち―障害のあるランナーをささえる (ドキュメント・ユニバーサルデザイン)

「障害があってもスポーツを楽しみたい」人たちと、周囲で支える人たちを追いかけた一冊。視覚障害や知的発達障害のある人たちと伴に走る人々の絆や、脚を失った人たちと義足をつくる職人の信頼関係のストーリー。

ユニバーサルデザイン―みんなのくらしを便利に〈2〉くらしの中のユニバーサルデザイン

図鑑「ユニバーサルデザインーみんなのくらしを便利に」シリーズの1冊。障害のある人やいろいろな立場の人の、それぞれの使いやすさを考えて工夫されている商品やサービスに注目。前半では製品のユニバーサルデザイン、後半では情報のユニバーサルデザインについて、豊富な写真と専門家の解説などで紹介。