スポーツあれこれ by 星野恭子

東京パラリンピックまで、あと3年となった8月25日、東京・豊洲で行われた記念イベントより。イベントについてのコラム(ノーボーダー/2017年8月28日付)は<a href="https://op-ed.jp/sports_news/%E3%80%8C%E6%98%9F%E9%87%8E%E6%81%AD%E5%AD%90%E3%81%AE%E3%83%91%E3%83%A9%E3%82%B9%E3%83%9D%E3%83%BC%E3%83%84%E3%83%BB%E3%83%94%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%A2%E3%83%83%E3%83%97%E3%80%8D%EF%BC%88193/"target="_blank">こちら</a>から。

「あの日」から、早4年。
さあこれから、あと3年!

※写真上:東京パラリンピックまで、あと3年となった8月25日、東京・豊洲で行われた記念イベントより。イベントについてのコラム(ノーボーダー/2017年8月28日付)はこちらから。

2017年8月25日は、2020年の東京パラリンピック開会式まで、あとちょうど3年という日でした。東京・豊洲で行われた記念イベントを取材しながら、私は「4年前」に思いを馳せていました。

「4年前」とは、2020年東京オリンピック・パラリンピックの開催が決定した、2013年9月8日のことです。私は前日から始まったパラ陸上の大会取材のため、山口市のホテルでその瞬間を迎えました。

「地元開催なんて、選手にとって最高の目標になるはず!」。そう信じて、大会2日目の取材に出かけた私は、何人かの選手に「決まりましたね!」と話しかけました。

すると、返ってきた反応の多くは私の予想とは違い、喜ぶどころか、曇り顔。「大丈夫かな? 日本で、ロンドンのような大会ができるのかなあ……」

当時は、前年の2012年に行われたロンドンパラリンピックが「史上最高の盛り上がり」を見せたことで、世界的にはパラスポーツへの興味や関心が上向いていた頃でした。

ところが、日本最高峰であるはずの山口での大会は、以前とさほど変わらず、観客席は閑散。しかも、ほぼ関係者といった感じです。満員の観客に囲まれて競技をしたロンドン大会の盛り上がりを直接体験した選手たちは不安になってしまったというのです。

地元開催の世界最高峰の舞台で主役となるべき選手たちの、そんな寂しそうな表情、私は予想もしなかったし、見たくなかった。そのショックは「2020年の会場を満員に!」という思いの原動力となり、以来、私なりにパラスポーツと向き合ってきました。

ロンドンだって、2005年に開催が決まったばかりの頃は、国民の多くが「パラリンピックって何?」という状態で、大会組織委員会はパラリンピック発祥地として「何とかしなければ」と必死だったと言います。

“We educated people” (国民を教育したんだ)。ロンドン大会開催中、「なぜ、こんなに成功したの?」という私の問いに対し、多くの関係者から聴いた返答です。

たとえば、選手の学校訪問はオリンピック選手とパラリンピック選手を必ず一緒に派遣、パラリンピック大会の放映権を得た民放の「チャンネル4」がCMを制作してPR......。さまざまな立場から、大会普及のための活動を展開したそうです。

果たして、7年後に開幕したロンドンパラリンピックは270万枚ものチケットが買われ、テレビ中継は100を超える国と地域で40億人以上が視聴など数々の「史上最多」を更新。ロンドンは見事、パラリンピック史に足跡を残しました。

東京でももちろん、大会開催決定からさまざまな取り組みが行われています。パラスポーツ体験イベント、プロモーションビデオCM、メディア露出…。すでに4年が経ち、「パラリンピック」の知名度は東京を中心に上がっていて、大会会場の観客の姿も年を追うごとに増えてきては、います。

今、「満員化への道」は、どの辺りまで進んでいるんだろう? 絶対、まだまだイケルはず! あと3年、これからもコツコツがんばろう――8月25日は、そんな思いを強くした日でもありました。満員化への活動もカウントダウンです。

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<2017年8月度>
■寄稿:
⇒【ゴールボール】[2017ジャパンパラゴールボール競技大会]全勝優勝の女子日本代表、4年計画の1年目で得た収穫(パラサポ/2017年8月10日付)

⇒【パラスポーツ】百聞は一見にしかず! パラスポーツの魅力を知るには会場観戦がいちばん!(ノーボーダー/2017年8月7日付)

⇒【陸上競技】次世代を担うアスリートたちが躍動!~世界パラ陸上ジュニア選手権(ノーボーダー/2017年8月21日付)

⇒【パラスポーツ】開幕まで、待ったなし! 東京2020パラ、3年前記念イベント開催!(ノーボーダー/2017年8月28日付)

⇒【ブラインドサッカー】アイマスクで視界を遮断。見えないからこそ、見えたこと~ブラインドサッカー体験会~(TEAM BEYOND/2017年8月27日付)

⇒【視覚障害者柔道】小学生に戻ったつもりで心機一転、急成長を目指す。「諦めなければ夢は叶う」と伝えたい内山輝将選手~(東京都オリンピック・パラリンピック準備局/2017年3月30日付)


■講演:
『パラリンピックのボランティア』チーム千葉ボランティアネットワーク第1回募集説明会/2017年6月24日)

(kh)

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いっしょに走ろっ!―夢につながる、はじめの一歩

「走る」をテーマにさまざまな人々の挑戦を集めた一冊。2012年ロンドンパラリンピック出場を目指す、義足のジャンパー中西麻耶選手と義足職人やコーチたち、全盲のランナー和田伸也選手と伴走者たち、そして、視覚障害ランナーの伴走ボランティアに挑む福井県の中学生たちのドキュメント。

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