Happy New Year 2016!
「発表!2015年素晴らしい瞬間トップ50 by IPC」
※写真上:2016年が、飛躍の年となりますように! (1月3日上野不忍池で撮影)
2016年がスタートしました。いよいよこの夏、南米で初開催となる、リオ・オリンピック・パラリンピックが行われます。当サイトでも、パラリンピックの話題を中心にいろいろお届けしていきますので、今年もどうぞよろしくお願いいたします。
さて、新年オリジナルとして第1弾は、国際パラリンピック委員会(IPC)が選んだ、「2015年の素晴らしい瞬間トップ50」の翻訳の要約です。「トップ50」は毎年11月から年末にかけて、IPCがカウントダウン方式で1日1つずつアップしています。その2015年版の第1位はいったいどんな話題でしょうか?
こちらでは概要の要約のみなので、詳しい内容は、IPCの特設ページ(英文)でご確認ください。では、50位から順にどうぞ!
No. 50 Brazil beat Canada in OT at Toronto 2015 boccia finals2015年パラパンアメリカン・トロント大会のボッチャBC4ペアクラスの決勝戦で、ロンドンパラリンピック金メダルのブラジルペア、E.SantosとD.Pinto組が延長戦の末、カナダのM.DispaltroとJ.Vandervies組を下して優勝。
No. 49 Sailing takes actionセーリング競技は2015年2月、2020年パラリンピック大会の実施競技から外されることが決まったが、国際セーリング連盟はすぐに対応。4カ月後の6月には障害者セーリング委員会を発足させ、パラリンピック普及プログラムをスタートさせた。
No. 48 Underdogs Turkey take double gold in goalballゴールボールのヨーロッパ選手権Aプールで、ランキング下位のトルコが男女とも金メダルに輝き、リオパラリンピック出場権を獲得した。男子はロンドン大会でパラリンピック初出場ながら銅メダルを獲得しているが、女子はリオが初出場になる。
No. 47 Uzbekistan’s judoka open season with bang視覚障害者柔道の2015年度のワールドカップ初戦で、ウズベキスタンチームがメダル7個を獲得する大活躍。ロンドンパラリンピックで選手1人を派遣し初出場を果たした同国は着実な進化を示した。
No. 46 Mexico, Philippines shine at World Championshipsローマで開催された車いすダンス競技の世界選手権、フィリピンとメキシコが躍進した。コンビ・フリースタイルのクラス2でフィリピンのR.MarquezとJ.Julius組が、ロシアのG.RyzhkovaとV.Osipov組の連勝を阻止し、男子シングルス・フリースタイルのクラス2でメキシコのJ.Y.Anelesが優勝した。
No. 45 Powerlifting raises the bar on developmentパワーリフティングは2015年、大きな発展を遂げた。選手登録数が45.7%増えたことに加え、メキシコシティで行われた史上初のアメリカ選手権をはじめ、アジア、ヨーロッパの全3地域で選手権が開催された。
No. 44 Dutch overtake British powerhouse in European Championship medals table馬術のヨーロッパ選手権で、世界王者イギリスを抑え、オランダが初めてメダル獲得数でトップになった。イギリスがトップの座を譲ったのは同選手権だけでなく、世界選手権、パラリンピックを通じて初めて。
No. 43 Russia triumph at para-taekwondo Worlds2020東京大会から正式種目になる、パラテコンドーの世界選手権で、ロシアが男女とも優勝。
No. 42 South Korea, Sweden promoted to A-Poolアイススレッジホッケー世界選手権Bプールで韓国、スウェーデンがそれぞれ金、銀メダルに輝き、ともにAプールに昇格した。韓国のS.H.Jungが全選手中最多となる13ゴール9アシストで、22ポイントと活躍し、ベストフォワードに選出された。
No. 41 Russia wins wheelchair curling world title車いすカーリング世界選手権決勝でロシアが中国を7-4で破って優勝し、大会2連覇を果たした。ロシアは前回が初の決勝進出だった。同競技が2006年トリノパラリンピックで正式競技となって以来、カナダが3連覇し、世界選手権も2勝していた。
No. 40 Russia, Ukraine battle for football-7 title脳性まひ者7人制サッカーの世界選手権の決勝でロシアがウクライナを1-0で下し、優勝した。強豪国同士の対戦となった決勝戦は緊迫した試合となり、試合時間残り5分でロシアが挙げた得点が決勝点となった。
No. 39 #ProudParalympian launches education pilotアジトス基金は選手対象の教育プログラム、“#ProudParalympian”を立ち上げ、2015年にはパラリンピックの歴史やメディア対応、キャリアプランなど9つのワークショップを提供。
No. 38 Reynolds, Swoboda make splash in para-canoeリオパラリンピック予選を兼ねたパラカヌーの世界選手権で、男子200m KL2クラスはオーストリアのM.Swobodaが6連覇を達成。女子200m KL3クラスではオーストラリアのA.Reynoldsが初優勝を果たした。
No. 37 Nemati secures both Olympic, Paralympic spots for Iranイランのアーチェリー選手、Z.Nematiは再び、歴史をつくった。オリンピックとパラリンピック両方の代表の座を射止めたのだ。Nematiは2012年のロンドンパラリンピックで金メダルを獲得し、同国女子選手として初めて、オリンピック、またはパラリンピックでの金メダリストとなっていた。
No. 36 Valera, Rosenmeier battle for European crown世界王者スペインのA.Valeraとヨーロッパ王者、デンマークのP. Rosenmeierは卓球のヨーロッパ選手権で対戦。フルセットにもつれる熱戦の末、Valeraが勝利した。
No. 35 Doha 2015 triumphs on digital platforms陸上の世界選手権ドーハ大会はさまざまな面で成功をおさめた大会となった。参加選手数も、メダル獲得国数も過去最多、世界新記録は54個誕生し、報道量も過去最大規模になった。さらに、徹底したデジタル戦略で大会をPR。大会公式サイトをはじめ、ツイッターやフェイスブックなどソーシャルメディアからのアクセス数は2,630万以上に達した。これは前回、2013年のリヨン大会の4倍となる。
No. 34 Great Britain, USA make it tight at World Rowing Championshipsボート世界選手権のLTA混合コックス付フォアで、アメリカが前回王者のイギリスを追い詰めたが、イギリスが先着した。
No. 33 sixteen powerlifting world records fallパワーリフティングでは2015年、アメリカ、アジア、ヨーロッパの各選手権とパラパンアメリカ大会で、シニアで16個、ジュニアで14個の世界新記録がそれぞれ誕生した。
No. 32 British steal Sweden’s European crown with one-point winウィルチェアーラグビーのヨーロッパ選手権決勝戦で、イギリスが接戦の末、49-48でスウェーデンを下し、優勝した。両チームはリオパラリンピックの出場権を手にした。
No. 31 Sharp shooter Zhang sets four world records射撃の2015ワールドカップで、個人戦で3つ、団体戦で1つの世界新記録を樹立した中国のC.Zhangは、世界ランキング1位に返り咲いた。2014世界選手権で決勝進出を逃した悔しさがバネになった。
No. 30 Soule becomes most decorated US Nordic skierアメリカのスキーヤー、A.Souleは母国で開催された2015世界選手権ケーブル大会で、バイアスロンとクロスカントリースキーで合わせて5個のメダルを獲得。
No. 29 PyeongChang 2018 to be biggest Paralympic Winter Games ever2018ピョンチャン冬季パラリンピックは史上最大規模の冬季大会になる見込みだ。6月の会議で、新たに8種目の実施が決まり、メダル種目は全部で80種目となった。
No. 28 Brazil, Argentina clash in Toronto 2015 finalパラパンアメリカン大会のブラインドサッカー決勝で、王者ブラジルが接戦の末、宿敵アルゼンチンを2-1で下し、大会3連覇を達成した。
No. 27 Badminton joins Paralympic programmeバドミントンが2020年東京パラリンピックから正式競技となることが決定した。さらに、初の世界選手権がパラリンピック発祥の地、イギリスのストークマンデビルで開催された。
No. 26 IPC releases new four year Strategic PlanIPCは新たに、2015年から18年までにわたる今後4年間の戦略プランを発表した。パラリンピックのブランド価値の認知と参加者数の増加、そして大会の成長を確固たるものにすることを目的に、6つの戦略分野における目標が設定された。
No. 25 Rivard rises to the top of women’s S10カナダのスイマー、A.Rivardは2015年、2つの世界タイトルとパラパンアメリカ大会でのメダル獲得、そして女子S10クラスの世界新記録も樹立するなど、大活躍した。
No.24 Two world titles in world record time for Richard Browneアメリカの片足義足のスプリンター、R.Browneは2015陸上世界選手権ドーハ大会の男子100mと200mのT44クラスでそれぞれ世界新記録をマークして世界タイトルを手にした。ロンドンパラリンピックでは銀メダルに終わったBrowneにとって初の世界タイトル獲得となった。
No. 23 Wheelchair fencer Beatrice Vio closing in on perfect seasonイタリアの18歳、B.Vioは国際切断者競技大会の車いすフェンシングのフルーレ女子クラスBで金メダルを獲得。自身7個目の世界タイトルとなり、快進撃をつづけている。
No. 22: Sledge hockey’s success rings true at Buffalo 2015アイススレッジホッケーは2014年ソチ冬季パラリンピックの決勝戦が全米でライブ放送されるなど、過去最高の注目を集めたが、ひきつづき2015年世界選手権バッファロー大会でも6つの放送局が参加8カ国での生中継を実施するなど、大成功をおさめた。
No. 21 BP, Team USA partnership goes against the trend米国オリンピック委員会のスポンサー、BP社は新たに7選手とサポート契約を結んだが、オリンピアン2名に対し、パラリンピアンが5名という内容。パラリンピアンがオリンピアンを上回るスポンサー契約は初めてで、同国における障がい者スポーツへの注目度の高まりを感じさせた。
No. 20 Norbruis draws home crowd to their feet at World Championshipsパラサイクリング・トラック世界選手権で、オランダのA.Norbruisが出場した全3種目で優勝。500mタイムトライアルでは自身の持つ世界記録を更新するなど、現女王として圧倒的な強さを見せた。
No. 19 Canada win 15 TO2015 swimming medals国内トロントでの開催となったパラパンアメリカン大会で新記録となる168個のメダルを獲得したカナダチーム。15個のメダルを獲得した競泳陣が牽引した。
No. 18 Bochet makes history with 11th consecutive World titleフランスのアルペンスキーヤー、M.Bochetが2015世界選手権で、男女を通じて史上初の5種目全制覇を成し遂げた。15歳だった2010年、バンクーバー大会でパラリンピック初出場を果たした彼女は4年後のソチ大会では4種目で金メダルを獲得。
No. 17 Badminton, taekwondo join Tokyo 2020 programme1月のIPC会議で、2020年東京大会で実施される22競技が決定。バドミントンとテコンドーが正式競技としてデビューする。
No. 16 Wheelchair tennis sees new leaders in Griffioen, Alcott車いすテニスで2人の新チャンピオンが誕生。女子シングルスではオランダのJ.Griffioenがフレンチオープンで同じくオランダ人のライバル、A.VanKootを破り、男子クァードクラスではオーストラリアのD.Alcottがスーパーシリーズ・フランス大会で絶対王者、アメリカのD.Wagnerを下した。Griffioenはダブルスでは何度も優勝していたが、シングルスでは初。Alcottは16歳でジュニア世界トップ5に名を連ねたが、2008年、12年のパラリンピックは車いすバスケットボールで出場し、それぞれ金、銀メダル獲得に貢献後、14年にテニス界に戻った。
No. 15 First IPC Snowboard World Champs a successパラスノーボード世界選手権が史上初めて開催され、オランダの16歳、C.Vosが下肢障害クラスの全2種目、スノーボードクロスとバンクドスラロームを制覇した。Vosは2015年度ワールドカップ総合優勝も果たした。
No. 14 Marcoux brothers’ first World title on home snowカナダのブラインドスキーヤー、M.Marcouxは兄であり、ガイドのB.J.と組み、母国でのアルペンスキー世界選手権で優勝。14年ソチ冬季パラリンピックではB.J.のケガのため別のガイドと金1個を含む3個のメダルを獲得していたが、兄とのペアでは初の選手権タイトル獲得となった。
No. 13 Mereshko pulls biggest swimming upset of 20152015年世界選手権でウクライナの新星、Y.Mereshkoは、イギリスのスター、E.Simmondsを抑え、400m自由形など3個の金メダルを獲得。Simmonds は2008年以来、世界選手権とパラリンピックで連勝を重ねていた。
No. 12 Israel Hilario Rimas brings World gold to Peruペルーで唯一のサイクリスト、I.H.Rimasはパラサイクリング・ロードワールドカップの2試合でそれぞれ金メダルを獲得。さらに、スイスで開催されたロード世界選手権のロードレースでも優勝を果たし、リオでパラリンピック初出場を狙う。
No. 11 Agitos Foundation extends impactアジトス基金は2015年、パラパンアメリカ大会を目指す選手、コーチらを支援。何人かは表彰台にも昇る成果を見せた。リオパラリンピックに向けた、同様の支援プログラムもスタートしている。
No 10. Daniel, Schulz race for para-triathlon World goldパラトライアスロンの2015年度最終戦となったグランド・ファイナルがシカゴで行われ、PT4クラスはフランスのベテラン、Y.Bourseauxや今季好調のドイツのM.Schulzを抑え、18歳の新鋭、S.Danielが初制覇した。同競技のパラリンピックデビュー戦となるリオ大会で、3選手を含めた、さらなる熱戦が期待される。
No. 9 Germany reclaims European title from Dutch rival車いすバスケットボール欧州選手権の女子決勝戦で、ドイツチームが前2013年大会の覇者、オランダチームを破り、欧州女王に返り咲いた。
No. 8 Paralympian elected to Canadian governmentカナダのパラリンピアン、C.Qualtroughが同国のスポーツ・障がい者大臣に就任。同国スポーツ界に最も影響力をもつ女性となった。ブラインドスイマーとしてパラリンピック2大会(1988年、92年)に出場したQualtroughは今年序盤まで、アメリカ大陸地区のパラリンピック委員会の副会長を務めていた。
No.7 Multiple golds and world records for Durand世界最速女王の、キューバの弱視スプリンター、O. Durandは2012年ロンドンパラリンピック以降、3年間の産休を経て、今年ママアスリートとして競技に復帰。2015パラパンアメリカ大会とドーハ世界選手権で鮮烈なパフォーマンスを見せ、健在をアピールした。
No. 6 Dias makes it another golden year in poolブラジルのスイマー、D.Diasは2015パラパンアメリカ大会で7つの世界タイトルと8個のメダルを獲得。母国でのリオパラリンピックでのさらなる飛躍が期待される。
No. 5 Canada, USA go head-to-head in Toronto 2015ウィルチェアーラグビーの長年のライバル、カナダとアメリカチームが、2015パラパンアメリカ大会決勝で激突し、地元カナダが57-54で勝利!予選プールでは59-60の僅差で敗れた宿敵を撃破し、地元ファンの大声援を受けた。
No. 4 Rio 2016 tickets go on sale celebrating 1 Year To Goリオパラリンピック開幕まで1年となった9月7日、同大会の観戦チケットが発売開始となった。チケット数は、12年ロンドンパラリンピックを50万枚上回る、史上最高の330万枚が用意されている。ブラジル以外の国では正規代理店を通じて購入可能。
No. 3 Rwandan women secure Rio 2016 sitting volleyball spotシッティング・バレーボールのアフリカ選手権の女子決勝戦で、ルワンダチームがエジプトチームにセットカウント3-2で勝利し、リオパラリンピックの出場権を獲得した。アフリカを代表してルワンダの女子チームがパラリンピックに出場するのは史上初となる。
No.2 Rehm’s long jump of 8.40m creates global headlines陸上競技の2015ドーハ世界選手権で、ドイツの義足ジャンパー、マルクス・レームが男子走り幅跳びでT44クラスの世界新記録となる8m40cmの大ジャンプ。この記録は12年ロンドンオリンピックの優勝記録を9cm上回り、15年世界陸上の金メダルジャンプにわずか1cmに迫る好記録だった。
No. 1: The IPC announces biggest ever broadcast and commercial agreements国際パラリンピック委員会(IPC)は2015年、大型のスポンサー契約を2つ締結した。1つはNHKとの2024年まで3大会のテレビ放映権などを含むもので、放送局との契約では史上最高額となる。もう1つは、トヨタ自動車とのワールドワイド・パラリンピック・パートナー契約で、20年東京大会を含む24年まで自動車や移動支援ロボットなどが提供される。
IPCは、この他にもWOWOWとの間で世界のパラアスリートを対象にしたドキュメンタリー番組の制作を内容とする、20年までの5年契約を締結するなど、企業の支援を追い風に活動基盤をますます強固にしている。
(以上)