いまこそ、やるべきこと
<3月度まとめ>
※写真上:ほぼ1年後に延期された、東京2020オリンピック・パラリンピック大会。ロゴや大会名称はそのまま使われる。(東京都庁第一本庁舎2階北側に設置されている「オリンピック・パラリンピックフラッグ展示コーナー」にて)
新型コロナウイルスの世界的な感染拡大という未曽有の事態を受け、東京2020大会は3月24日、開催延期が決まり、さらに30日には新たな開幕日としてオリンピックは来年7月23日、パラリンピックは8月24日と発表されました。
大会の延期は史上初めてのことであり、難しい決定だったと思われますし、「1年後」はすべての選手にとって必ずしも「ベスト」な選択肢ではなかったでしょう。「今年の夏」に向けて長い年月をかけて準備してきた選手たちの心中を思うと、切なく辛い思いです。相手は「ウイルス」という見えない敵。誰のせいにもできないもどかしさや、やり場のない思いを抱えている選手も多いと思います。
ただ、命の危険を感じながら、日々の練習さえままならない選手たちもまだ、世界中に大勢いるなか、「どうなるのだろう?」という不安な状況から、とりあえず「1年後」という目標設定ができたことは、やはり、よかったのではないかとも思います。
パラリンピックを主催する国際パラリンピック委員会(IPC)のアンドリュー・パーソンズ会長は「(延期決定の発表から)これほど早く新しい日程が決定したことは素晴らしいこと。来年、東京で開催されるパラリンピックは人類が再び一つになって団結する、特別な祝典の大会になる」とコメントしました。
とはいえ、同会長はさらに、「この前例のない困難な時期にあたって、現在の最優先事項はスポーツでなく、安全や健康」であり、パラリンピック・ムーブメントに関わるすべての人に対し、「家族や友人と安全でいることに集中してほしい」とも呼びかけています。
そう。感染拡大はまだ続いていて、ウイルス感染の終息が全く見通せない状況の中、まずは人命が最優先です。選手であれ、応援する立場であれ、誰にとっても今やるべきことは、できる限り不要不急の外出を自粛し、「うつさない、うつらない」こと。その上で、それぞれの立場でやるべきことを粛々と重ねていくことだけです。
パラアスリートには、「残された機能を存分に生かす」「できないことでなく、できることに目を向ける」という強さがあります。その強さを信じ、変わらずに、いえ、より一層強く、応援していきたいし、その術を考えながら過ごしたいと思います。
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<2020年3月度>
■寄稿:
⇒【陸上・マラソン】東京マラソン車いす、男子は鈴木朋樹、女子は喜納翼がともに大会新で初優勝!(ノーボーダー/2020年3月2日付)
⇒【東京2020大会】国際パラリンピック委員会、「東京パラは予定通り開催で準備中」などを発表(ノーボーダー/2020年3月9日付)
⇒【ボランティア】女優、愛澤咲月さんが移動補助サービスを体験! 乗り降り簡単な福祉車両「ウェルキャブ」便利さ実感、助けあいアプリ「May ii」では近くの男性がサクッとお手伝い(毎日新聞/2020年3月12日付)
⇒【東京2020大会】新型コロナウイルスの東京パラへの影響は? 最近の主な動きをリポート(ノーボーダー/2020年3月23日付)
⇒【東京2020大会】国際パラ委(IPC)、「IOCの決断と取り組みを全面的に支持する」(ノーボーダー/2020年3月23日付)
⇒【東京2020大会】東京2020大会延期に、パラスポーツ界も即座に反応(ノーボーダー/2020年3月30日付)
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■雑誌連載:
⇒『手をつなぐ:みんなで応援しよう!東京2020パラリンピック」=P48「file.8 ポジティブ思考で、前へ、前へ! 卓球・加藤耕也選手」(全国手をつなぐ育成会連合会/2020年3月1日発行)
⇒『月刊・石垣: パラリンピックのチカラ』=P46「File.6 自身の可能性を信じて道を開く、義足アスリート 陸上競技 中西麻耶」(日本商工会議所/2020年3月10日)
■雑誌寄稿:
⇒『東京2020 PARALYMPIC JUMP Vol.4 』All About 22 Competitions=P196/P199/P206(集英社/2020年3月21日)