4年に1度のアジアパラ大会が、ジャカルタで開幕!
※写真上:開会式の中で、最初は「DISABILITY(障害)」という文字だったが、インドネシア大統領らがアーチェリーの弓で、「DIS」を射抜いて破壊し、「ABILITY(才能)」へと変化させることで、パラアスリートたちの力強さと可能性を示すメッセージを伝えた。
アジアの頂点に挑む4年に1度のパラアスリートの祭典、「インドネシア2018アジアパラ競技大会」が10月6日、同地のジャカルタで開幕した。2014年韓国・インチョン大会に続いて3回目となる今大会には、史上最多の43カ国・地域から、約3,000選手が参加。13日までの8日間にわたり、全18競技568種目で熱い戦いが行われる。
日本からも過去最多となる選手304名、競技パートナー12名が、チェスを除く17競技にエントリーしている。
6日から、バドミントンや卓球、車いすバスケットボールの予選ラウンドから競技がスタート。同夜には8日から陸上競技が行われるGBKメインスタジアムで開会式が行われた。選手入場では、日本選手団はアルファベット順の11番目に登場。陸上競技代表の前川楓選手が務める旗手を先頭に、選手・役員らを含む145名が日の丸の小旗を振りながら、笑顔で行進した。
旗手を務めた前川楓選手。陸上競技の100mと走り幅跳びで金メダル獲得を目指す。
前川選手は中学3年生だった2012年、交通事故に遭い、右脚を太腿から切断した義足のアスリートだ。東京都内で10月2日に行われた結団式では「理想の旗手像」を問われ、「義足できれいに歩くことを一番大切にしたい。(自身と同様、脚を切断した人たちに)『義足でも、こんなにきれいに歩けるんだ』と思ってもらえたら嬉しい」とコメント。その目標通り、選手団を率いて堂々と、時折笑顔も見せながら美しく歩いてみせた。
式典後に前川選手は、「緊張しましたが、旗手として素晴らしい開会式に参加できたことを光栄に思う。いよいよ自分の試合が始まるんだなとワクワクしている。全力を尽くして頑張りたい」と競技への意気込みを語った。
大会は13日までジャカルタ市内の各会場で行われる。日本は前回インチョン大会で獲得した計143個のメダル以上の成績を目指す。また、今大会は東京2020パラリンピックに向けた最後の総合大会となる。選手村での生活も含め、2020年につながる手応えや成果をつかむことも重要な目標となる。