スポーツあれこれ by 星野恭子

1月21日、「天皇杯 第48回日本車いすバスケットボール選手権」が東京体育館(東京・渋谷区)で開かれた。約3年ぶりに行われたクラブチーム日本一決定戦に、早朝から多くのファンが駆け付け、入場口には長蛇の列が!

アフター2020にみる、ポジティブな変化
<2022年12月まとめ>

※写真上:1月21日、「天皇杯 第48回日本車いすバスケットボール選手権」が東京体育館(東京・渋谷区)で開かれた。約3年ぶりに行われたクラブチーム日本一決定戦に、早朝から多くのファンが駆け付け、入場口には長蛇の列が!

2023年がスタートしました。「ウィズ・コロナ」が定着し、パラスポーツ大会も有観客開催が戻ってきています。嬉しいことに、以前よりも確実にパラスポーツのファンが増えたように感じます。

これは間違いなく、東京パラリンピックの影響でしょう。ほぼ無観客開催だった分、「待ってました」という人。東京大会を全国各地でテレビ観戦し、選手たちのパフォーマンスに刺激され、「もっと見たい」という人。そんな人たちが、会場に足を運んでいるように感じます。

なかでも、1月20日から21日にかけて、約3年半ぶりに開催された車いすバスケットボールの日本一決定戦、天皇杯 第48回日本選手権は圧巻でした。会場は東京体育館で、初日の昼間は渋谷区内の約1000人の小中高生が来場し、20時から始まった最終試合にも会社帰り風の人の姿も見られました。

2日目は有料開催となりましたが、アリーナ席と車いす席(アリーナ、2階席とも)はチケット完売になるなど、3000人以上が選手たちのパフォーマンスを後押ししました。

東京パラリンピックで男子日本代表が銀メダル、その後U23男子世界選手権で金メダルと、あいついで「史上初の快挙」を達成した大活躍もあり、車いすバスケの競技性や選手の魅力が広まったことも大きいでしょう。

「赤」と「オレンジ」に染まった「天皇杯 第48回日本車いすバスケットボール選手権」大会の決勝戦での客席。熱戦を繰り広げた両チームのテーマカラーだ

印象的だったのは、各クラブチームのファンと思われるグループの姿です。たとえば、決勝戦の客席は「赤」と「オレンジ」で染まっていたこと。赤は優勝したパラ神奈川SCチームの、オレンジは準優勝だったNO EXCUSEの、それぞれチームカラーでした。選手たちもそれぞれ、目に入るファンの姿にきっと勇気づけられたことでしょう。

もうひとつ、1月22日に浜松市で行われたブラインドサッカーの日本選手権・準決勝ラウンドでは、約900人が観戦。好プレーのたびに、漏れ聞こえてくる驚嘆のため息や拍手は、見えない選手たちの耳にもきっと届いていたはずです。この大会では地元の中・高校サッカー部員たちがボランティアとして大会を支えていたのも素敵でした。

「最近、パラスポーツの大会が増えてるんだね」ーー知人の言葉です。いえ、大会が増えたのではなく、おそらく、大会の報道が増えたことで、今まで目にしていなかった人たちにもパラスポーツが届くようになったのだと思います。

東京パラリンピックから1年半が過ぎましたが、パラスポーツへの追い風をさらに強めていけるように、その魅力をもっと伝えていきたいと思います。

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<2022年12月度>
■寄稿:
⇒【ゴールボール】ゴールボール日本代表「オリオンJAPAN」、パリ2024出場権をかけポルトガルで世界選手権に挑む!(パラスポ+!/2022年12月7日付)

⇒【ゴールボール】ゴールボール世界選手権開幕。日本代表「オリオンJAPAN」、男女ともに初戦白星発進!(ノーボーダー/2022年12月9日付)

⇒【パラスポーツ】ボッチャ、ノルディックスキー、アルペンスキー、ゴールボール・・・日本代表が国際大会で躍動!(ノーボーダー/2022年12月16日付)

⇒【パラスポーツ】トピック盛りだくさんの2022年パラスポーツをプレイバック! (ノーボーダー/2022年12月23日付)

⇒【ゴールボール】⇒ 世界選手権はベスト8。惜敗で「パリ」獲得ならず。ゴールボール日本代表「オリオンJAPAN」女子、さらなる成長を誓う(パラスポ+!/2022年12月30日付)

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