スポーツあれこれ by 星野恭子

自身のパフォーマンスを終えた選手たちが競技中の選手を見守り、声援を送る。4月24日、日本で初開催されたパラサーフィンの国際大会「JAPAN OPEN」で、あたりまえに見られたシーン

互いに称え合い、高みを目指す!
<2023年4月まとめ>

※写真上:自身のパフォーマンスを終えた選手たちが競技中の選手を見守り、声援を送る。4月24日、日本で初開催されたパラサーフィンの国際大会「JAPAN OPEN」で、あたりまえに見られたシーン

東京オリンピックでは、サーフィンやスケートボードなど「横乗り系」の競技で、ライバル同士が互いに称え合い、励まし合っていた姿が注目され、感動を呼びました。テレビ中継やニュースで目にした方も多いのではないでしょうか。

4月24日、日本で初開催されたパラサーフィンの国際大会「JAPAN OPEN」でも、同様のシーンがあちこちで見られました。サーフィンの取材も試合の生観戦も私自身、初めてだったのですが、あらためて「横乗り系」の素敵な文化を実感する貴重な機会となりました。

素晴らしいパフォーマンスには拍手と歓声を送り、思うようなパフォーマンスが出せず肩を落とす仲間には「次、次」などと励ましの声をかけたり……。競技会なのに、明るい雰囲気に包まれていた会場は、とても新鮮でした。

⇒【参考】[第2回静波パラサーフィンフェスタ(JAPAN OPEN)] 国内で初開催!! 静岡でパラサーフィンの国際大会 「それぞれのスタイルで波に乗る姿を見て!」(パラスポ+!/2023年5月31日付)

パラサーフィンは2028年のロサンゼルスパラリンピックで正式競技入りを目指している新競技です。さまざまな障害の選手が参加できるように9クラスに分かれて競い、技の難度などが10点満点で採点され、得点を競います。

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●「スタンド」クラス: 立位で波に乗る。障がいの程度によりスタンド1~3まで3クラスに分かれる。

●「ニール」クラス: ボードにひざ立ちの姿勢で波に乗る。

●「シット」クラス: ウェイブスキーと呼ばれる専用ボードに座り、パドルを使って波に乗る。

●「プローン」クラス: 腹ばいの姿勢で波に乗る。サポートを必要としないプローン1とサポートを必要とするプローン2に分かれる。

●「視覚障がい」クラス: 立位で波に乗る。全盲の視覚障がい1と弱視の同2に分かれ、パドリングを始めるタイミングなどを知らせるアシスタントと競技を行う。

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決勝ラウンドには海外3カ国から4選手が残っていましたが、なかでも大歓声を浴びていたのが、オーストラリアの、マーク・モノ・スチュワート選手(61)です。もともとサーファーで、病気で右脚を失ってからも「ニール」スタイルで波に乗り、数々の国際大会でメダルを獲得してきたレジェンドです。

JAPAN OPENでは「10点満点」をパーフェクト演技を、なんと2回も出す快挙を成し遂げ、仲間や観客はもちろん、ご本人も感涙する姿が印象的でした

今年9月3日には千葉県の白子町剃金海岸で、パラサーフィン全国大会となる「パラサーフィン全日本選手権」の開催が予定されており、今年末にアメリカで開催予定の「ISAパラサーフィン世界選手権」の代表選考会も兼ねて行われることになっています。

(写真左)レジェンドパラサーファー、オーストラリアのマーク・モノ・スチュワート選手(61)
(中)10点満点のパーフェクト演技後、歓声に感謝するスチュワート選手
(右)パーフェクト演技後、仲間から拍手で出迎えられる、スチュワート選手

(写真左)レジェンドパラサーファー、オーストラリアのマーク・モノ・スチュワート選手(61)

(中)10点満点のパーフェクト演技後、歓声に感謝するスチュワート選手

(右)パーフェクト演技後、仲間から拍手で出迎えられる、スチュワート選手

今年9月3日には千葉県の白子町剃金海岸で、パラサーフィン全国大会となる「パラサーフィン全日本選手権」の開催が予定されており、今年末にアメリカで開催予定の「ISAパラサーフィン世界選手権」の代表選考会も兼ねて行われることになっています。

パラサーファーたちの果敢なチャレンジと、素敵な空気感をぜひ、多くの皆さんに体験していただきたいなと思います。

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<2023年4月度>
■寄稿:
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(kh)

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