アメにもマケズ……
<2023年5月まとめ>
※写真上:「2023世界パラトライアスロンシリーズ横浜大会」のバイクパート(20㎞)で、雨が降る中、力強い追い上げを見せた宇田秀生選手。東京パラリンピック銀メダリストの熱い走りを、傘やレインコート姿の観客が強く後押し
5月13日、横浜市の山下公園周辺で「2023世界パラトライアスロンシリーズ横浜大会」が開催されました。あいにくの雨模様のなかでしたが、世界トップクラスのパラトライアスリートたちが熱戦を展開しました。
大会は久しぶりに声援もできる有観客での開催となり、熱心なトライアスロンファンたちが選手の果敢なチャレンジにエールを送る姿が印象的でした。
このトライアスロン大会もそうですが、今年はとくに梅雨入りが早く、屋外での競技大会では雨の影響を受けた大会も少なくありません。スタートしてしまえば、選手たちはただ、立ち向かうだけですが、レース前は着替えやウオーミングアップの場所などに苦労しますし、レース中は滑りやすい路面や狭まる視界などが壁になります。
もう少し技術的な難しさについて、陸上競技を例にとってみます。競技用車いす「レーサー」を使う種目の場合、路面の滑りやすさを考慮してタイヤの空気圧を少し下げてスリップしにくくしたり、タイヤを漕ぐための部品「ハンドリム」が滑らないように「松ヤニ」を塗ったり、選手によってはグローブさえ、形状や素材を変えた「雨の日用」を用意していたりします。
また、選手の後ろにつくと距離によっては、タイヤが跳ね上げた水しぶきを浴びることになります。
競技用義足も滑りやすいですし、また、脳性まひなどで下半身にまひや不随意の運動が見られる選手も注意が必要です。視覚障害の選手にとって「音」は重要な情報源ですが、「雨音」が必要な音の受信を妨げてしまう場合もあると言います。
このように雨は競技への影響が大きく、好記録も狙いにくくなってしまいますが、陸上競技では雷雨でない限り、どんなに強く雨が降っても、基本的にレースが中止されることはありません。理由は記録を狙うだけでなく「順位を争うのが、陸上競技だから」なのだそうです。
だから、雨が苦手と自覚し、あえて雨の日に辛い練習をして準備する選手もいますし、「悪天候も嫌じゃないのが自分の強み。むしろ、得意」という選手さえも!
雨の日は観戦も大変ですが、だからこそ、選手への温かい応援をお願いします!
(参考: 陸上競技では、風の場合も同様で、どんなに強風でも基本的には競技は続行されます。ただし、追い風が風速2.0mを超えたときに出した記録は順位決定には有効ですが、「追い風参考記録」となり、公認されません)
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<2023年5月度>
■寄稿:
⇒【ブライドサッカー】ブラインドサッカーを応援しよう! 日本代表戦や国内トップリーグなど注目大会が目白押し!(ノーボーダー/2023年5月14日付)
⇒【陸上競技】[第34回日本パラ陸上競技選手権大会] パラ陸上・投てき種目、自分を超えるビッグスローで神戸からパリへ!(パラスポ+!/2023年5月24日付)
⇒【パラスポーツ】パラスポーツを楽しもう! 主な大会・イベント情報~6月開催分(ノーボーダー/2023年5月26日付)
⇒【サーフィン】[第2回静波パラサーフィンフェスタ(JAPAN OPEN)] 国内で初開催!! 静岡でパラサーフィンの国際大会 「それぞれのスタイルで波に乗る姿を見て!」(パラスポ+!/2023年5月31日付)