スポーツあれこれ by 星野恭子

6月30日、東京体育館で行われた「車いすラグビーアジアオセアニアチャンピオンシップ」予選ラウンドの日本ーオーストラリア戦で、聴覚障害のある観客たちに向け、場内アナウンスを手話で伝える手話通訳士、橋本一郎さん(中央の赤いTシャツ)

パラスポーツ大会も、新たなフェーズへ
<2023年6月まとめ>

※写真上:6月30日、東京体育館で行われた「車いすラグビーアジアオセアニアチャンピオンシップ」予選ラウンドの日本ーオーストラリア戦で、聴覚障害のある観客たちに向け、場内アナウンスを手話で伝える手話通訳士、橋本一郎さん(中央の赤いTシャツ)

6月29日から7月2日にかけて東京体育館(渋谷区)で開催された「車いすラグビーアジアオセアニアチャンピオンシップ」。来年のパリパラリンピックへの出場権がかかった大会で、世界ランキング3位の日本が決勝で同2位で、昨年の世界選手権覇者のオーストラリアを55-44で破って優勝。パリパラ切符もつかみ取りました。

会場には4日間でのべ2万人が訪れ、久しぶりの声出し応援も解禁され、結果も相まって大いに盛り上がりました。

この大会はもう一つ、「ファンサービス」にも力を入れた大会でした。オンコートでは楽しいMCからハーフタイムショーなどワクワクさせる趣向がたっぷり。コート外でも車いすラグビーをはじめとするパラスポーツ体験ブースや応援グッズショップ、記念写真ブースから、ケータリングカーや生ビールの売り子さんなどまで、ファンを楽しませ、新たなファン層をも広げようと、さまざまなアイデアが詰まっていました。

画期的な取り組みの一つが、「上記写真の「聴覚障害者専用座席の設置」です。手話通訳士さん(写真中央の赤いTシャツの方)が随時、場内アナウンスの内容を手話で通訳し伝えます。障害の有無に関わらず、誰もがスポーツ大会を楽しめる環境づくり」を目標に、大会を主催した日本車いすラグビー連盟のアイデアで取り入れられました。専用席自体は各試合30席が用意されたそうですが、その周囲の席に多くの聴こえない人たちが座り、一緒に試合を楽しみ、日本代表の勝利を喜び合えたようです。

ブラインドサッカーやゴールボールでは専用ラジオを使ったライブ中継など、視覚障害者にも試合の状況を届ける取り組みなども行われています。

こうした「インクルーシブなスポーツ観戦環境」もどんどん広がっていくことを願います。

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<2023年6月度>
■寄稿:
⇒【ブラインドサッカー】ブラサカ日本代表、国際大会で準優勝! パリパラ出場権獲得に向け、つかんだ貴重な経験(ノーボーダー/2023年6月2日付)

⇒【射撃】パラ射撃の瀬賀選手、W杯2位でパリパラ出場枠を獲得。日本勢では第1号!(ノーボーダー/2023年6月13日付)

⇒【車いすラグビー】パリ・パラ出場権のかかる国際大会を前に、車いすラグビー日本代表が会見。池主将「チームは最高レベルに到達!」(ノーボーダー/2023年6月16日付)

⇒【車いすテニス】「2つの夢」をかなえた車いすテニス、小田凱人選手が凱旋会見。「まだ始まったばかり」(ノーボーダー/2023年6月26日付)

⇒【陸上】[2023ジャパンパラ陸上競技大会] パラ陸上で新記録ラッシュ! 白熱のライバル対決、復活宣言……。国内最高峰の大会は見応えたっぷり!(パラスポ+!/2023年6月27日付)

⇒【自転車】[第92回全日本自転車競技選手権大会トラックレース] 新星も登場したパラサイクリングの日本一決定戦。エースたちは貫録の躍動!(パラスポ+!/2023年6月29日付)

⇒【柔道】[第38回全日本視覚障害者柔道大会] 視覚障害者柔道、日本の頂点から世界へ! パリパラリンピックにつながる第一歩にも(パラスポ+!/2023年6月30日付)


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■雑誌寄稿:
『手をつなぐ』2023年6月号「特集:知的障害のがある人とスポーツ」
P26 日本パラリンピック委員会河合純一委員長インタビュー「パラスポーツ推進の新たなフェーズへ」(全国手をつなぐ育成会連合会/2023年6月1日発行)

(kh)

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