百聞は一見にしかず!
<2024年6月まとめ>
※写真上:「ダイセル ブラインドサッカージャパンカップ 2024 in 大阪」は7月4日から7日まで、JR大阪駅直結のオープン広場に特設されたピッチで開催された。平日の夕方でも多くの人が足を止め、熱く真剣なプレーに見入っていた。
「あれ、何?」
「うわ、すげー」
「え? 見えてないの?」
「ドリブル、速い!」
「痛そう」
「これ、ルールどうなってるの?」
「お~、正確なシュート!」
「ほんとに、見えてないの?」
パリパラリンピックに自力出場を決めているブラインドサッカー日本男子代表が参加して、7月上旬に大阪市で開かれた「ダイセル ブラインドサッカージャパンカップ 2024 in 大阪」。同じくパリ出場予定のモロッコなど4カ国による国際対抗戦で、日本は惜しくもモロッコに敗れ、準優勝に終わりましたが、多くの手ごたえをつかんだ大会でした。
敗れたとはいえ、パリ前に1次リーグでも同組のモロッコと2試合できたのは前哨戦として大きな意味がありました。対戦前に相手チームの情報を収集し、チームで共有して対策を練るのは今や当たり前です。でも、視覚からの情報を得られない選手にとって、やはり直接対決によって「体感」することが何よりの情報収集になるからです。相手の体格や手足の長さ、スピード、プレーの特徴などは実際に相まみえることで、より正確に知り、対策できるのです。
「聞いていただけではできない、いい経験ができた」。実際、選手たちも多くをつかんだようでした。
この大会はもう一つ、「ブラインドサッカー」という競技の挑戦でもありました。国際大会としては初めて、関西圏の会場で、しかもJR大阪駅に直結の、1日15万人が行き交うと言われるオープンエリアに特設ピッチを敷くという異例の形で開かれました。
無料開催で、ちゃんとした観客席はありませんが、ピッチサイドやピッチを見下ろせるような形で大きな階段の一部を「自由席」にし、誰でもフラッと観戦できるようになっていました。
主催した日本ブラインドサッカー協会は大会前、「ブラインドサッカーを知らない人も含め、どれだけ多くの人の足を止められるかの、挑戦」と話していました。
実際はトップ写真のように大勢の人が試合に見入り、冒頭のような感想が観客たちから聞かれたのです。ブラインドサッカーを初めてみる人も本当に多く、地元の通勤者から観光客、海外からの旅行者などまで老若男女、本当に多彩な人たちがブラインドサッカーを楽しんでいました。
見えない中のプレーとはにわかには信じがたい高いスキルや闘志あふれる迫力のパフォーマンスに時折、歓声や拍手も沸き起こりました。会場ではスマートフォンなどでの写真や短時間の動画撮影も許されていました。家族に伝えたり、SNSに投稿したり、ブラインドサッカーが新たなファンを獲得する大きなチャンスとなったことでしょう。
「パリパラリンピックも応援します!」。そんな嬉しい声も多かったです。
8月28日に開幕するパリパラリンピックではブラインドサッカーをはじめ、22競技が実施されます。「百聞は一見にしかず」。テレビ中継やライブ配信、報道などを通して、その魅力が少しでも多くの人の目や耳、心に届き、ファンが増える機会となりますように!
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<2024年6月度>
■寄稿:
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