2012年の熱、ロンドンで脈々と
※写真上:ロンドン市東部のストラトフォードに広がる、「クイーン・エリザベス・オリンピック・パーク」。5年前の熱狂が、いつまでも。
7月は14日から23日まで開催された、「世界パラ陸上競技選手権大会」の取材で、今年2度目のロンドンに行っていました。
熱戦の舞台は、ロンドンスタジアム。2012年ロンドンオリンピック・パラリンピックでも使われた競技場です。スタジアムのある「オリンピック・パーク」は取り壊された施設も多いですが、それでも象徴的なタワーなど当時の面影が残されています。
5年ぶりに訪れた私は遠くからその姿を観て、あの史上最高に盛り上がったロンドンパラリンピックの様子を思い出し、「懐かしい~、ただいま!」といった気分になりました。
オリンピック・パーク内に設置された、”青空ジム”。大人も子どもも、車いす利用の人も、気軽にエクササイズ!
それに、この公園、ちゃんと使われているんです、今も。私はパラ世界陸上開幕2日前の夕方に現地入りしたのですが、芝生で寝転ぶ人がいたり、遊具で遊ぶ子どもたちがいたり、外周をジョグするランナーがいたり……。イベントの時だけでなく、日常になっているんです、きっと。
スタジアムでも、たびたび陸上の国際大会が開かれています。義足のジャンパー山本篤選手も2012年のパラリンピック以来、ほぼ毎年このスタジアムで競技をしているそうです。天候も観客の雰囲気もよく、「ロンドンは好き」と話していました。
もちろん、今回開催された「パラ世界陸上大会」も大盛況でした。連日2~3万人もの観客が訪れ、ビールを飲みながら選手に大声援。家族連れは親が子どもに、「スタートのときは、シーよ」なんて観戦マナーを教えていたりと、あちこちに羨ましいシーンが!
ロンドンはちゃんとオリンピック・パラリンピックのレガシーが残っているのです。施設というハードはもちろん、「スポーツを楽しむ文化」というソフト面さえも。
羨ましいなあ~と帰国したら、『新国立競技場、球技専用に』という、まさかのニュースが……。東京2020の陸上競技の舞台は、レガシーになれないんですね。「トーキョー大好き。2020年以来、毎年、走ってるわ」というコメントは、陸上選手からは聞けないのかなと思うと、残念。
まもなく、「東京2020」開幕まであと3年(8月25日)。「開催してよかった~」とあとから思えるようなモノやコト、何か残せるといいなと、強く願います。
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■寄稿:パラ世界陸上関連
⇒“もうひとつの世界陸上”、まもなく開幕! 世界パラ陸上選手権ロンドン大会(ノーボーダー/2017年7月3日付)
⇒リオ2冠王者を破り、パラ陸上の佐藤友祈が東京につながる金メダル2個(スポルティーバ/2017年7月21日付)
⇒義足の女子ジャンパー前川楓が「あの名選手」の助言で掴んだ銀メダル(スポルティーバ/2017年7月26日付)
⇒2012年のパラリンピック開催地・ロンドンが熱狂。「世界パラ陸上選手権」で日本は過去最多のメダルを獲得(パラサポ/2017年7月27日付)
⇒世界パラ陸上選手権、日本のメダルは16個! 2020年東京パラへ、ロンドンから学ぶこと(ノーボーダー/2017年7月24日付)
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■寄稿:その他
⇒【デフリンピック】
オリ・パラ”だけじゃない! アスリートが目指す、世界最高峰の舞台のあれこれ!(ノーボーダー/2017年7月10日付)
⇒【デフリンピック】
夏季デフリンピックが閉幕。日本は過去最多、金6個を含む全27個のメダル獲得!(ノーボーダー/2017年7月31日付)
⇒【ブラインドサッカー】
まもなく開幕、ブラインドサッカーの日本一決定戦。激しく熱い戦いに期待!(ノーボーダー/2017年6月26日付)
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■講演:
⇒障がい者スポーツ研修会『パラリンピックのボランティア』新潟・十日町市ネージュスポーツクラブ/2017年6月24日)
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■ラジオ出演:
⇒すっぴん:スポーツ自由形(NHK第一/2017年6月26日)